住宅ローンをどの銀行で借りるか検討する中で、「ネット銀行は金利が安いと聞くけれど、デメリットはないの?」「地方銀行とどちらがいいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
金利の低さだけを見てネット銀行に決めてしまうと、あとになって「こんなはずでは」と感じる場面に出会うことがあります。
私は元銀行で融資・審査を担当していた時期があり、現在は中小企業の融資支援にも携わっており、金融機関ごとの審査の違いを実務として見てきました。
この記事では、ネット銀行の住宅ローンのメリットだけでなく、あまり語られないデメリットを具体的にお伝えし、地方銀行との違いもあわせて整理します。
読み終える頃には、金利の高い・低いだけでなく、ご自身の物件や状況に合った銀行を選ぶための判断材料が揃っているはずです。
結論から言うと、1行だけで決めず、複数の銀行に審査を出して比較することをおすすめします。
ネット銀行の住宅ローンのメリット
金利が低い傾向にあり、手続きも手軽
ネット銀行の住宅ローンは、店舗を持つ金融機関に比べて運営コストを抑えられることなどから、金利が低い傾向にあります(2026年時点、金利は銀行や時期によって異なります)。
また、申し込みから契約まで、来店せずオンラインで手続きが完結する銀行が多く、平日に窓口へ行く時間が取りにくい子育て世代にとっては、手軽さも魅力の一つです。
こうした理由から、ネット銀行の住宅ローンを選ぶ方が増えているのは、自然な流れだと感じています。
ただし、金利の低さや手軽さの裏側には、知っておいたほうがよい点もいくつかあります。
次の章で、実務目線から具体的にお伝えします。
ネット銀行の住宅ローン、3つのデメリット
デメリット1:物件によっては融資を断られることがある
ネット銀行は、特定の地域に根ざした店舗を持たない分、土地勘や地域特有の事情に基づいた柔軟な判断がしにくい構造になっています。
そのため、例えば「市街化調整区域」と呼ばれる、街づくりの計画上、原則として新しい建物を建てることが制限されているエリアにある物件など、条件が特殊な土地の場合、ネット銀行では融資を断られることがあります。
地域に密着した金融機関であれば、同じ物件でも個別事情を踏まえて対応してもらえる場合があるため、この点は物件の条件によって差が出やすいところです。
デメリット2:必要書類が全部揃わないと審査が始まりにくい
ネット銀行は対面での相談窓口を持たない構造上、手続きがシステム化されており、必要書類がすべて揃った状態でないと審査そのものが始まりにくい傾向があります。
地方銀行のように、「今揃っている書類でまず審査を進めながら、足りない分はあとから提出する」といった柔軟な対応は取りにくいのが実情です。
書類の準備に時間がかかりそうな方にとっては、この違いはスケジュールに影響することがあります。
デメリット3:注文住宅では「分割融資」に対応していない場合がある
これは、特に注文住宅を検討している方に知っておいていただきたい点です。
注文住宅の場合、工事費用は完成後に一括で支払うのではなく、着工時の「着工金」、工事の中間段階で支払う「中間金」、完成時に支払う「完成金」というように、複数回に分けて支払うのが一般的です。
この複数回の支払いに合わせて、住宅ローンも複数回に分けて実行してもらう仕組みを「分割融資」と呼びます。
ネット銀行の中には、この分割融資に対応しておらず、建物が完成したあとの一括融資しか扱っていない銀行があります。
その場合、完成までの間の支払いを別の「つなぎ融資」(住宅ローンが実行されるまでの間、一時的に資金を借りる仕組み)でまかなう必要が出てきて、その分の手間や利息などのコストがかかることがあります。
なお、中古住宅や建売住宅のように、完成済みの物件を一括で支払う場合は、そもそも分割融資自体が不要なため、このデメリットは当てはまりません。
注文住宅を検討している方は、分割融資に対応しているかどうかを、事前に確認しておくと安心です。
地方銀行のメリット・デメリット
メリット:担当者が相談に乗りながら柔軟に対応してくれる
地方銀行の住宅ローンでは、担当者と対面や電話でやり取りしながら手続きを進められることが多く、書類がすべて揃っていない段階でも、相談しながら柔軟に対応してもらえる傾向があります。
物件の条件が少し特殊な場合や、初めての住宅ローンで不安が大きい場合には、こうした相談のしやすさが安心材料になることがあります。
デメリット:金利はネット銀行より高めのことが多い
一方で、地方銀行の住宅ローン金利は、ネット銀行と比べて高めに設定されていることが多いのが実情です(2026年時点、金利は銀行や時期によって異なります)。
また最も低い金利にするには、その銀行が提供するクレジットカードの作成や、給与振込・預金口座の開設、電気契約の利用といった、付帯サービスへの加入が条件になっていることがあります。
店舗や人員を維持するコストなどが背景にあると考えられますが、その分、ネット銀行にはない柔軟さやサポートを受けられる、という違いとして捉えるとよいと思います。
1行で決めず、複数行に審査を出して比較を
銀行ごとに金利も条件も審査基準も違う
ここまで見てきた通り、ネット銀行にも地方銀行にも、それぞれのメリット・デメリットがあります。
どちらが優れているというより、銀行によって金利、審査の柔軟さ、分割融資への対応可否などの条件がそれぞれ異なる、というのが実情です。
特に、市街化調整区域など少し特殊な条件の物件をお持ちの方や、注文住宅で分割融資が必要になる方は、銀行によって対応が分かれるポイントなので、事前の確認が欠かせません。
複数行に審査を出して、自分に合う条件を見極める
そのため、1行だけに絞って申し込むのではなく、複数の金融機関に審査を出して、実際の金利や条件を比較することをおすすめします。
比較の際は、住宅ローン比較サービスを使うと、複数行の条件を効率的に確認できます。
金利の数字だけでなく、ご自身の物件条件(市街化調整区域か、注文住宅で分割融資が必要かなど)に対応しているかどうかもあわせて確認しながら、比較を進めていただければと思います。
元銀行員の私も、ネット銀行を有力な選択肢として検討中です
金利の低さに惹かれつつ、地方銀行も検討しています
実は私自身、今まさにどの銀行で住宅ローンを借りるかを検討しており、金利の低さから、ネット銀行を有力な選択肢の一つとして考えています。
ただ、詳しい条件などは本審査になってみないとわからないことも多く、ネット銀行や地方銀行など複数の金融機関で検討中です。
注文住宅を建てるので、分割融資への対応も重要な確認事項です
また、私は注文住宅を建てる予定のため、検討している銀行が分割融資に対応しているかどうかは、自分にとって重要なチェックポイントになっています。
元銀行員としてネット銀行・地方銀行それぞれの事情を知っているからこそ、金利の数字だけで即決するのではなく、複数の銀行を比較しながら、自分の状況に合った選び方をしようとしているところです。
まとめ
ネット銀行の住宅ローンは金利の低さが大きな魅力ですが、
・物件によっては融資を断られることがある
・書類が揃うまで審査が始まりにくい
・注文住宅では分割融資に対応していない場合がある、
といったデメリットも存在します。
地方銀行には金利面では及ばないことが多い一方、柔軟な相談対応という強みがあります。
銀行ごとに条件が異なる以上、1行だけで決めず、複数の銀行に審査を出して、ご自身の物件や状況に合った銀行を選ぶことが大切です。




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