住宅ローンの予算、私はこう決めた元銀行員の記録

家づくり記録

住宅ローンの予算をどう決めればいいのか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

「年収の何倍」という目安はよく耳にしますが、実際にはそれだけで自分に合った予算が分かるわけではありません。

家計の状況は、収入だけでなく、支出の内訳や将来の見通しによって、一人ひとりまったく違うからです。

私は元銀行員で、住宅ローンの審査に携わっていた立場でありながら、今まさに自分自身の予算を決めたばかりの当事者でもあります。

この記事では、私が実際にどうやって住宅ローンの予算を決めたか、その考え方の過程をお伝えします。

読み終える頃には、単純な倍率計算ではなく、ご自身の家計の実態から予算を積み上げる考え方が見えてくるはずです。

大切なのは、世間の目安ではなく、自分の暮らしの実態から予算を組み立てることだと感じています。

  1. 「年収の何倍」だけで予算を決めなかった理由
    1. 目安は知っていても、それだけでは足りないと感じた
    2. 大切なのは、自分の家計の実態から積み上げること
  2. まず、今の家計を把握することから始めた
    1. 毎月いくら使っているかを、洗い出した
    2. 「あといくら住宅費に回せるか」を計算した
    3. 手取りで考え、妻の収入も合算した
  3. 金利上昇まで想定した「ストレスシミュレーション」
    1. あえて厳しい条件で試算してみた
    2. 金利上昇・教育費増加・物価上昇を織り込んだ
    3. 元銀行員・投資家として、リスクを見込んで予算を決めた
  4. 決めた方針:借入額・返済期間・金利タイプ
    1. 借入の上限は3千万円台後半に
    2. 返済期間は40年、月々は月10万円弱を想定
    3. 35年固定ではなく、変動金利で検討している理由
  5. 家をコンパクトにして、建築費を抑えた
    1. 平屋で、必要最低限の部屋数に
    2. 水回りなど、高額になりやすい部分を集約
  6. 投資を続ける前提で、予算を組んだ
    1. 住宅ローンを組んでも、投資は続けられる予算に
    2. ただし、教育費がかさむ時期の調整も視野に
  7. それでも、葛藤は今も消えません
    1. 築いてきた資産を超える額を借りることへの抵抗
    2. 銀行員だったのに、利息を払ったことがありませんでした
    3. 「借金はするな」と言われて育った価値観
    4. 綿密に予算を組んでも、不安は拭えない
  8. まとめ
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「年収の何倍」だけで予算を決めなかった理由

目安は知っていても、それだけでは足りないと感じた

住宅ローンを検討する中で、「年収の5〜7倍」といった目安があることは、元銀行員としてもちろん知っていました。

ただ、この数字はあくまで一般的な傾向を示すものであり、支出の内訳や、これからの教育費、続けている投資など、私自身の家計の実態を反映したものではありません。

倍率だけを基準に予算を決めてしまうと、数字の上では問題なくても、実際の暮らしの中で無理が出てくる可能性があると考えました。

大切なのは、自分の家計の実態から積み上げること

そこで私は、世間の目安をいったん横に置き、自分の家計の実態から予算を組み上げていく方法を取ることにしました。

次の章から、実際にどう進めたかをお伝えします。

まず、今の家計を把握することから始めた

毎月いくら使っているかを、洗い出した

最初に行ったのは、今の家計で毎月いくら使っているかを、項目ごとに洗い出すことでした。

生活費、教育費、保険料、投資に回している金額など、普段なんとなく把握しているつもりの支出を、あらためて数字として正確に把握しました。

この家計の把握は、マネーフォワードMEなどの家計簿アプリを使うと便利です。

「あといくら住宅費に回せるか」を計算した

持ち家になると、賃貸のときの家賃に加えて、固定資産税や修繕費など、住居にかかる費用が増える部分があります。

そこで、今の生活費や貯蓄・投資に回している金額を維持しながら、「あといくらなら住宅費に上乗せできるか」という視点で、無理のない金額を計算しました。

手取りで考え、妻の収入も合算した

計算の基準は、額面年収ではなく手取り収入にしました。

私の手取りに加えて、妻の手取り収入もあわせて、世帯としての家計で考えました。

もともと家計簿をつけて毎月の支出を管理していたこともあり、「あといくらなら住宅費をプラスできるか」が、比較的はっきりと見えてきました。

金利上昇まで想定した「ストレスシミュレーション」

あえて厳しい条件で試算してみた

家計の実態から予算のイメージがつかめたあと、私は「ストレスシミュレーション」と呼ばれる方法を試しました。

これは、あえて厳しい条件を想定して試算を行い、「最悪の状況でも返していけるか」を確かめる考え方です。

このシミュレーションは生成AIを使って行いました。

都度、条件を指定すればより具体的なシミュレーションを作成してくれます。

金利上昇・教育費増加・物価上昇を織り込んだ

具体的には、金利が段階的に3%まで上がっていく想定、これから増えていく教育費、そして物価上昇による生活費の増加も織り込んで試算しました。

あわせて、続けている投資のリターンについても、楽観的な数字ではなく、控えめな想定で見込むようにしました。

元銀行員・投資家として、リスクを見込んで予算を決めた

普段から投資に触れているからこそ、「良い想定」だけでなく「悪い想定」でも試算しておくことの大切さは理解しているつもりでした。

厳しい条件でシミュレーションしても大きく破綻しない範囲を、自分なりの予算の一つの基準として考えました。

この考え方自体は、どなたでも自分の状況に置き換えて試せるものだと思います。

決めた方針:借入額・返済期間・金利タイプ

借入の上限は3千万円台後半に

これまでのシミュレーションを踏まえて、私が設定した借入の上限は、3千万円台後半でした。

返済期間は40年、月々は月10万円弱を想定

返済期間は35年が一般的かと思いますが、毎月の返済額を抑えるため、私は返済期間を40年で検討しています。

金利をやや高めの1.5%で見積もった想定で、月々の返済は月10万円弱に収まるように計画しました(2026年時点、あくまで私の想定であり、実際の金利や条件によって変わります)。

35年固定ではなく、変動金利で検討している理由

35年の固定金利は、2026年時点で金利が3%を超える水準となっており、月々の返済額が想定より重くなることから、私は変動金利での借入を検討しています。

変動金利は、将来金利が上がれば返済額が増えるリスクがあることは理解した上での判断です。

この選択は、あくまで私の状況(収入の見通しや家計の余力など)を踏まえたものであり、どなたにとっても同じ判断が正解とは限りません。

固定金利を選び、将来の返済額が変わらない安心感を優先する、という考え方も十分にあると思います。

家をコンパクトにして、建築費を抑えた

平屋で、必要最低限の部屋数に

建築費が上がっている今の状況を踏まえ、予算に家の方を合わせるという考え方も取り入れました。

具体的には、平屋で、家族の暮らしに必要な最低限の部屋数に絞る方針にしています。

水回りなど、高額になりやすい部分を集約

トイレを1つにまとめるなど、住宅の中でも比較的コストがかかりやすい水回りの設備を、必要な範囲に集約することも意識しました。

庭で子どもたちを遊ばせたいという思いから注文住宅にこだわりましたが、そのこだわりを実現するためにも、他の部分でコストを抑える工夫が必要だと考えています。

投資を続ける前提で、予算を組んだ

住宅ローンを組んでも、投資は続けられる予算に

これまでコツコツ続けてきた投資を、住宅ローンを組んだあとも継続できることを、予算を決めるうえでの一つの条件にしました。

住宅ローンの返済だけで家計がいっぱいになってしまうと、将来に向けた資産形成が止まってしまうと考えたためです。

ただし、教育費がかさむ時期の調整も視野に

一方で、子どもたちの教育費が本格的にかさんでくる、50代前半から半ばにかけての時期は、積立投資の金額を一時的に減らすことも、現実的な選択肢として視野に入れています。

すべてを予定通り続けようと無理をするのではなく、その時々の家計の状況にあわせて調整していく前提で考えています。

それでも、葛藤は今も消えません

築いてきた資産を超える額を借りることへの抵抗

ここからは、正直な気持ちとしてお伝えします。

これまで節約と投資でコツコツ築いてきた資産があります。

今回の住宅ローンは、その資産を超える額を借りることになります。

数字だけ見れば、シミュレーション上は問題ないはずなのに、これまで大切に積み上げてきたものを超える借金を背負うことに、強い抵抗を感じている自分がいました。

お金の重みが分かっているつもりだからこそ、簡単には踏み切れない自分がいたのだと思います。

銀行員だったのに、利息を払ったことがありませんでした

もう一つ、正直に書いておきたいことがあります。

私はこれまで、銀行員として融資の仕組みを扱っていながら、幸運にも自分自身がローンを組んで利息を払った経験がありませんでした。

その自分が、今回初めて、利息を払う側に回ることになります。

仕組みを知っているはずの自分が、実際に当事者になってみると、思っていた以上に重く感じる部分がありました。

「借金はするな」と言われて育った価値観

私は子どもの頃から、親に「借金はするな」と言われて育ちました。

この価値観が、今回の判断に少なからず影響しています。頭では住宅ローンが多くの人にとって現実的な選択肢だと理解していても、心のどこかで、育ってきた中で刷り込まれた感覚と向き合うことになりました。

綿密に予算を組んでも、不安は拭えない

ここまでお伝えしてきたように、家計の把握、ストレスシミュレーション、世帯での積み上げと、自分なりにできる限り綿密に予算を組んだつもりです。

それでも、正直に言うと、「本当にこの先何十年も、無理なく返していけるのだろうか」という不安は、今も完全には拭えていません。

元銀行員として審査の仕組みを知っていても、投資家として数字を扱うことに慣れていても、いざ自分が大きな借入をするとなると、これだけ悩むものなのだと、身をもって実感しています。

同じように悩んでいる方に、「悩んでいるのは自分だけではない」ということが、少しでも伝われば嬉しく思います。

まとめ

私の予算の決め方は、「今の家計を把握する(家計簿アプリ)→ストレスシミュレーションで最悪の状況を確かめる(生成AI)→手取りと世帯収入での返済計画→予算に合わせて家の規模を調整する」という流れでした。

「年収の何倍」という単純な計算ではなく、ご自身の家計の実態から考えることが、無理のない予算につながると感じています。

ただし、返済期間を40年にしたことや、変動金利を選んだことなど、具体的な方針は、あくまで私の状況における選択です。

ご自身の収入や家計、将来の見通しに照らして、それぞれに合った判断をしていただければと思います。

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